感想『ドラゴンボール超 ブロリー』 スクリーンからにじみでるアニメーターの本気

ようやく新年初投稿です。今回は公開からまあまあ経ちましたが先日バイト終わりにふらっと観に行った『ドラゴンボール超 ブロリー』の感想です。他の方の感想はちらほら目にしていたんですがそれでもバトルシーンの作画には圧倒されましたね… 観終わってしばらくは「すごかった」以外の感想が出てきませんでした。語彙力の敗北。
以下ネタバレ含む感想です。(この作品はネタバレどうこうはあんまり関係ないような気もしますが)

 

 

 

まず私の『ドラゴンボール』に関する知識は、原作と『GT』までのアニメはだいたい分かる、そのころまでの映画作品も小学生の時にだいたい観たことがある、だけど『超』はほぼ知らない、という感じで、登場人物のバックグラウンドなんかはおおよそ分かるし、ブロリーが初登場した『燃え尽きろ!!熱戦・烈戦・超激戦』も観ていたためブロリーの当時の設定も知っているが、スーパーサイヤ人ゴッドまわりの設定等は分からないという状態。この状態で観て、まず序盤のドラマパートで悟空・ベジータブロリーの出自が『熱戦・烈戦・超激戦』よりも丁寧に描かれているように感じて好印象だった。(ただし当時とはブロリーの設定が変わっているのでそういうのがダメな人は受け付けないかもしれない。)

このドラマパートが終わればあとはもうろくにセリフらしいセリフもないバトルの始まりである。そしてこのバトルシーンがそれはもう圧倒的なのだ。顔のアップや引きの画を巧みに使い分け、スピーディにキャラクターがスクリーン上を動き回る。めちゃくちゃ動く。なんというか東映アニメーションの本気を見せられた気がする。もうこのバトルシーンだけで白飯が食える。ただ戦っているだけなのに飽きないのは、先述のアップと引きの使い分けや、3人のパワーアップを段階ごとに散りばめたことによるものだろう。この辺は『ドラゴンボール』という息の長いアニメ作品を作り続けてきた東映の経験値やノウハウに裏打ちされた魅せ方のテクニックといっていい。

そして終盤、このままでは勝てないと感じた悟空がベジータフュージョンで対抗することを提案する。「恥ずかしい動きだ」といって拒むベジータの姿には謎の安心感のようなものを覚える。初回は失敗してベクウになる。これらのお約束を経てフュージョン成功、ゴジータの登場である。このゴジータも人気の高いキャラクターであるが、元々はブロリー同様映画オリジナルで、『GT』以来21年ぶりの登場とのこと。映画オリジナルキャラクターの中でも人気が高いゴジータブロリーの共演が実現するとなるとさすがにテンションが上がらざるを得ない。「オラ、ワクワクすっぞ!」と言いたくなる。そしてまたひたすら高密度なバトルを経て(ソウルパニッシャーを使ってくれたのも嬉しい。)、悟空とブロリーの間に友情が芽生えることを期待させるような描写を挟んで映画は終了する。もうこのころにはバトルシーンにおされて序盤の記憶が飛びかけている。「そういやパラガスとかいうやついたな」っていうくらいに。
エンドロールには見たことのあるアニメーターの名前も散見されたが、とにかくこんなアニメ作品を世に送り出してくれたことに感謝したくなる。大迫力のバトルシーンを堪能するためにも観るならぜひ映画館で観てほしい。過去の設定なんか大して知らなくても、ただただ映像が殴りつけてくるだけなので問題ありません。

しかし、ゴジータ21年ぶりの登場と書いたけど21年って私の人生とほぼ同じ長さだし『ドラゴンボール』というコンテンツの巨大さ・息の長さを感じる…『超』も追いかけてみようかなぁ…