『仮面ライダークウガ』 2周目で見える「仮面の下」

昨日開設したこのブログの実質1発目の記事を何にしようかと考えた結果、平成ライダーファンである私の最初の記事であること、『平成ジェネレーションズFOREVER』公開を明日に控えたこのタイミングであることから、平成ライダー最初の作品であり、『平成ジェネレーションズFOREVER』でも扱いの大きいであろう『クウガ』で書こうと決めた次第である。

 

仮面ライダークウガ』における2周目の魅力

特撮に限らずアニメや漫画でも2周目というのは1周目でなかった発見や、後の展開を知っていることで楽しめる演出や台詞回しに出会えるものである。そのような2周目を走るにあたって『クウガ』はとても魅力的なのだ。
クウガ』にとって最後の戦いとなるダグバ戦において、お互い人間態で殴りあうシーンがある。ここで戦いを楽しむダグバは笑顔なのに対して、クウガである五代雄介は泣きながらダグバを殴るのである。このシーンに、最後の戦いであるこのシーンに至って視聴者は五代がこれまでも泣きながら戦ってきたのではないかという推測をすることになる。実際に五代は戦いを好まず、たとえ戦って倒す以外の手段がないグロンギに対してであっても「殴る感覚は好きになれない」というような発言もしている。五代にとっては戦うこと自体がジレンマであるというのは作中でも描かれているがそれがはっきりと表れるのが最後のダグバ戦であり、だからこそ戦いが終わった後である最終話の笑顔で「冒険」をしている五代の姿が感動的に映る。そして、これらを踏まえたうえで始まる『クウガ』の2周目は序盤からすべての戦いどころか他愛のないやりとりまでもが感動的なのだ。第2話で「これ以上誰かの涙は見たくない、みんなに笑顔でいてほしいんです」と叫び、変身する決意を固めた瞬間から、自分の涙は仮面の下に隠していたのだろう。一条さんをはじめとする周囲の人々がそのことを理解し支えていること、五代自身が普段は飄々として笑顔でいるキャラクターであることがさらに我々視聴者の涙を誘う。誰よりもみんなの笑顔を望む一方で、自身は涙を流しながら戦うという五代雄介というキャラクターのもつ魅力が物語全編を通して我々を打ちのめすのが、『仮面ライダークウガ』という作品における2周目の魅力なのだ。
もちろん私が述べたこと以外にも『クウガ』を2周(あるいはそれ以上)観る魅力はあるだろうが、私個人としてはやはりこれが最も強い魅力だと思うのである。4クール作品はただでさえ観るのにそれなりの時間がかかるものだが、その時間に対して十分な魅力をもった作品といっていいだろう。

 

明日に控えた『平成ジェネレーションズFOREVER』でクウガはどのような描かれ方をするのか… 初代平成ライダーとして再び躍動するクウガの姿を観たい気持ちと戦いから解放された五代にはもう戦ってほしくないという気持ちを抱えて明日の公開を楽しみに待っているところである。

ご挨拶

はじめまして。ツッキーと申します。この度ブログを開設いたしました。

主にニチアサ作品あたりの感想を投稿予定です。感想を何らかの形で残したいなあと思って始めてみました。日々の雑感なんかも書きつつゆるゆるやっていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。